|  | 
           
            | 
                 
                  |  |   
                  |  |   
                  | 
                       
                        | 無趣味で仕事ひと筋の父が、突然イマドキのCDを借りてきた。 母は「お父さんにも人並みの楽しみができてよかった」と無邪気に喜んでいた。
 しかし、娘のA子さんには不審な行動に映ったらしい。
 父はCDを借りてくるたびに、A子さんにダビングを頼んでくる。
 それはいいが、不思議なのはカセットテープとMDの両方にダビングすること。
 父はMDを再生する機器を持っていない。
 A子さんがそのことをさりげなく尋ねると、父は「いいから、とにかくダビングしてくれ」の一点張り。
 「父は何かを隠しているはずです」依頼者の父は大学教授であり、週末は決まって自宅にいる。
 平日の行動を監視することになった。
 月〜金曜は、昼食以外の時間はほとんど研究室にこもりきり。
 後は自宅と大学を往復するだけの単調な生活だ。
 寄り道することもない。
 ただ一人、連日のように研究室を訪ねてくる女子大生がいた。
 そして必ず1時間以上、2人きりの時間を過ごしている。
 明るいタイプではないが美人で成績優秀。
 彼女の学内の評判はすこぶるいい。
 病弱な母との母子家庭で育っている。
 ファザコンだったとしてもおかしくない。
 まあ、娘の勘は鋭いから気をつけよう、というお話。
 父と女子大生との関係については、読者のご想像にお任せしよう。
 |  |  |  |