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                                    | 第86回 夫の変貌
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                                          | 依頼者: | 妻(26歳) |   
                                          | 対象者: | 依頼者の夫(31歳) |  |  |  |  |  |   
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                        | 「夫が家出してしまったんです!」と、依頼者である奥様が泣きだした。 夫であるAさんがある日突然に姿を消して、1ヶ月以上が過ぎている。
 流通関係の仕事をしているAさんは、31歳で課長になったエリート。
 営業成績は常にトップクラスで、社内の評判も上々である。
 上司や同僚も、彼の家出に首をひねるばかりだった。
 調査開始から3週間がたっても、何の手がかりもつかめずにいた。
 「あの人、Aさんに似ていませんか?」まったく別件の調査で張り込んでいた繁華街。
 あるニューハーフの店の前で、同行スタッフがそうささやいた。
 スタッフがあごで示した先に、女装姿の長身の男性が立っている。
 「まさか・・・・」確かに背格好は似ているが、化粧とかつらで判別がつかない。
 スタッフと議論してもらちが明かないので、隠し撮りした写真を妻に見せることに。
 彼女は「夫です」と複雑な表情を浮かべた。
 ようやく見つかった喜びと、こんな形で見つかった悲しみ。
 Aさんは「周囲の期待がプレッシャーだった」らしい。
 憂さ晴らしでたまたま入ったニューハーフの店で、「自分の本当の性癖に目覚めてしまった」という。
 後日、2人は争うことなく離婚したと聞いている。
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