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                                    | 第25回 高い授業料
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                                          | 依頼調査: | 行方調査 |   
                                          | 対象者: | 知人の飲食店オーナー(56) |  |  |  |  |  |   
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                        | <概要> 「300万円貸した知人が行方知れずで……」と話すのは、実直そうな45歳の公務員だった。
 「1ヶ月前、知人の飲食店オーナー(56)が“不況で資金繰りに窮している。オレは特殊な金庫の特許を持っているから、それを担保にお金を貸してくれないか”と訪ねてきたんです。過去に世話になったことがあるので、断り切れませんでした。これが、その時の証拠です」と、依頼者から特許に関する書類のコピーを手渡された。
 早速、特許番号で確認を取ったが、3年以上も前に特許自体が無効になっている。それも、無理やり開けると洗っても落ちない特殊インクが噴き出すという、子供だましのような金庫である。
 「そうですか……」と依頼者は落胆した様子。
 「“物騒なご時世だから絶対に金になるぞ”とそそのかされた自分もバカでした」
 逃げた男の消息は2週間ほどでつかめたが、借りた金は全額ギャンブルにつぎ込んだ後だった。「詐欺で訴えます?」と聞いたが、依頼者は「相手は恩人ですし。悪い夢を見たと思って忘れます」とポツリ。
 不況のせいか、もうけ話に乗せられて痛い目に遭うケースが増えている。そのほとんどが泣き寝入り。授業料にしては、300万円は高すぎる。
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