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                                    | 第20回 「不現住」の末路
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                                          | 依頼調査: | 行方調査 |   
                                          | 対象者: | 父(58・元会社役員) |  |  |  |  |  |   
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                        | <概要> 中高年が借金で家出というケースが増えた。こうした家出人捜しの依頼者の大半は実の子供。妻が来ることはあまりない。夫婦関係が冷え切っているから、家出もするのだろう。
 32歳の主婦の場合もそうだった。
 「父(58)が役員をしていた会社が倒産。江戸っ子で面倒見が良かったせいで、1人で4000万円も借金を抱えこんじゃったんですよ。3年前に母と離婚してから行方知れずで……」
 彼女の母親は「ほっておけ」とけんもほろろというが、娘としては気になるのだろう。それに「どうしても自分が産んだ孫の顔を見せたい」そうだ。
 聞き込み調査などで居所を突き止める。父親は同じ会社で経理を担当していた40代女性と安アパート暮らしをしていた。今は日雇い労働者で頭髪はかなり薄くなり、やつれた様子。
 娘が言っていた「頼りがいがあってカッコイイ」という父親のイメージとはかけ離れている。本人が「娘には会えない」と断る気持ちも分かったが、孫の話をしたら彼も気が変わったようだ。私が仲介して再会を果たすことができた。
 家出などで行方不明になると、戸籍には「不現住」と記載される。不現住の中高年の末路は寂しい。
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