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                                    | 第15回 盲点
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                                          | 依頼調査: | 行動調査 |   
                                          | 対象者: | トップセールスマン(30) |  |  |  |  |  |   
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                        | <概要> 「この3ヶ月間、ウチのトップセールスマン(30)の成績が落ち込んでるんです。それもかなり。何かあるはずですから、調べてもらえませんかね」
 依頼者は、住宅関連会社の人事担当役員(52)である。それだけ彼が期待されているのか、それともリストラ候補の素行調査か。判断はつきかねた。
 尾行初日。郊外の大型マンションで悠々自適の一人暮らし。トップセールスマンという話もウソでないかもしれない。
 朝、営業車に乗って会社を出る。コンビニ店に寄って弁当を2つ買う……と、ここまでは普通だったが、そのまま車で自宅マンションに戻ってしまった。夕方、何食わぬ顔で帰社する。
 2日目。「サボってるだけだろう」と同行スタッフと話しているうちに、ふと、あることに思い当たった。「待てよ……あれ、違う部屋じゃないか?」
 彼は仕事をサボって、自分の部屋ではなく、真上にある7階の部屋に入り浸っていたのだ。
 同じ扉がズラリと並び、外から廊下が見渡せるタイプの大型マンション。そこに“盲点”があった。恥ずかしながら、初日は6階と7階の違いに気づかなかったのである。
 7階には新婚カップルが住んでいた。奥さん(27)は専業主婦で、かなりの美人。2人が昼間、何をしていたのかは推して知るべしだろう。コンビニ弁当を2つ買った時点で怪しむべきだったのだが……。
 彼はクビになったそうである。
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