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                        | <概要> 「夫は絶対に浮気してると思うんです」ーーーおずおずと事務所を訪ねてきた奥さんは、小柄で童顔。とても37歳には見えない。大学時代の同級生という夫はある商社の課長で、まさに“島耕作”タイプ。いかにもモテそうだ。
 結婚10年。小学生の子供が1人いるという。
 「夫の財布の中に新幹線のチケットが2枚入ってたんです。彼は“部長と2人で出張だよ”と笑ってましたけど……」
 この手の女のカンは99%当たる。明日がその出張というので、急いで尾行の準備に取り掛かった。
 早朝の東京駅。案の定、そこにいるはずの部長の姿はどこにもない。夫は1人で新幹線に乗って、目的地の名古屋で降りた。
 どうやら出張は事実らしい。夫は支社で3時間ほど打ち合わせして、夕方、ホテルにチェックインした。そこに現れたのが、水商売風の派手な服装とメークの30歳前後の女。
 一目見て「こいつだ」と直感した。翌朝、夫と女が連れ立ってホテルから出てきた写真を奥さんに見せたが、それほど動揺した様子もない。「やっぱり」と深くうなずいて、「これはイザというときの“切り札”に取っておきます」と妖しく目を輝かせた。
 夫が慰謝料を渋ったときに突きつけて、搾り取るつもりか。おとなしそうに見えても女は女。一枚も二枚も上手である。
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