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                                    | 第6回 残念な結果
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                                          | 依頼調査: | 行方調査 |   
                                          | 依頼者: | 45才女性 |   
                                          | 対象者: | 別れた元夫 |  |  |  |  |  |   
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                        | <概要> 「1人娘(21)が骨髄性白血病で緊急入院したんです。夫(49)の骨髄が必要なんです。私ではダメなんです。離婚した元の夫を捜してください」
 依頼者の妻(45)によると、1年前に夫が経営する会社が倒産。夫名義の借金が2000万円以上残った。
 夫は「借金で妻と娘に迷惑がかからないように」と偽装離婚し、そのまま行方知れずに。
 しばらくは電話でやりとりしていたが、3ヶ月前から連絡が途絶えた。日雇いの建設場で働きながら、各地を転々としているらしい。
 手掛かりは「埼玉で住み込みの仕事をしていたが、今度は九州に行くことになった」という、別れた夫からの最後の手紙。
 埼玉と九州に事務所がある建設関係の会社。そこから元夫の居場所を突き止めるまでに、3週間かかってしまった。言い訳するつもりはないが、元夫は借金取りから逃げ回っている身である。
 妻に電話で元夫の所在を告げると、「今すぐ連れ帰ってほしい」と頼まれた。本来は引き受けないが、事は急を要する。対象者に会って事情を説明し、共に娘の入院先に飛んだ。
 元夫は「娘に適合するドナー」ではあったが、その3日後、娘さんは息を引き取った。どうにも悔やまれてならない。
 葬儀の席に、元夫の姿はなかった。
 
 その後、対象者から電話をいただく。妻とは連絡を取り合っていますとの事。少し安堵の気持ちになる。
 それぞれの事情がある人は、探す事によって、感謝を受ける事もあれば、更にどん底に落とすこともありえるし、寂しさを味わうこともある。
 人の人生を踏みにじる調査を決してやらないことが鉄則である。
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